慢性糸球体腎炎って?

慢性糸球体腎炎ってどんな病気!?



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腎臓の糸球体が徐々に悪くなる病気

慢性糸球体腎炎とは、糸球体に炎症が出る腎臓病の総称のことです。腎臓の糸球体が少しずつ悪くなっていきます。

多くは、腎臓にある毛細血管を支えるためのメサンギウム細胞という組織が増殖し過ぎることで起こります。血管をホースで例えると、ホースが指で圧迫されて水が出にくくなってしまっているような状態です。毛細血管がダメになる場合もあり、どの部分(部位)に障害が起こるかによって、病気もどのように進行していくかが異なります。

透析療法に入ってしまう原因の第2位が、この慢性糸球体腎炎です。
参考>>末期腎不全から透析療法に入る腎臓病ランキング

初期では自覚症状無し

初めの段階では、自覚症状が出ることがないため、初期の発見が難しい病気です。

健康診断や検尿で、「たまたま初期で見つかればラッキー」ぐらいです。こういった症状無く、検尿などで血尿が見つかることを無症候性血と言います。自覚症状がない段階で、異常を見つけることができることから、俗に「チャンス血尿」、たんぱく尿なら「チャンスたんぱく尿」と呼ぶこともあります。

食事療法の基本

主に塩分やたんぱく質を制限することで、腎臓への負担を減らすことが食事の基本です。腎臓がどの程度弱っているかによって目安が変わります。一度の食事で一気に食べないで、三食でまんべんなく食べることも腎臓に負担をかけないようにするポイントです。
参考>>腎臓病の進行ステージ別一覧表(まとめ)

慢性糸球体腎炎の代表的な種類

IgA腎症
先ほども登場したメサンギウム細胞という糸球体を支える細胞に、IgAという抗体が増殖・沈着して腎機能が低下する腎臓病です。日本人に多く、慢性糸球体腎炎のおよそ30%〜50%がこのIgA腎症と診断されます。長期的には、IgA腎症を発症したうち50%が血尿やたんぱく尿は出るが、腎機能が低下しない状態となります。残りの50%は、腎機能の低下が進み、腎不全に至る場合があります。

ちなみにIgAとは『Immunogloburin A』=免疫グロブリンAという抗体(たんぱく質の一種)のことです。

膜性腎症
何らかの原因で、腎臓の糸球体に沈着物ができて、糸球体の毛細血管の壁(基底膜)が厚くなります。それにより多くのたんぱく尿が出るようになる病気です。

35歳以上〜高齢者に多くて、ネフローゼ症候群の原因の一つです。膜性腎症は、原因が良く分かっておらず、いわゆる特効薬と呼ばれるものがありません。予後が比較的良い場合は経過観察、予後が良くない場合は、副腎皮質ステロイド等が使われます。進行は緩やかです。食事は、塩分制限と低タンパク食が基本となります。

ネフローゼ症候群
糸球体の異常により、大量のタンパク尿(3.5g/日 以上)が出るという症状の病気です。排尿の時、泡がたくさんできたりなかなか消えなかったりします。また、尿の色が変と感じることがあるかと思います。ほかの症状としては、むくみ(浮腫)で靴が窮屈に感じる、顔が腫れぼったい感じがする、などです。

薬は副腎皮質ステロイド、利尿薬、高圧降下薬、免疫抑制薬など。食べ物の基本は、減塩となります。入院時に安静にすることによって、症状が軽減される場合があります。

腎硬化症
高血圧が長期間続く、全身の動脈硬化・腎臓の血管にも動脈硬化が見られる状態のことです。腎硬化症には大きく2つあり、良性と悪性があります。

良性は、高齢者に多く、もともと高血圧の人が多いです。蛋白質が少なく自覚症状もなく発見が遅れ、腎臓の働きが低下している状態をいいます。悪性は、30代〜40代と比較的若い世代に多くみられます。急速に腎臓が悪くなるのが特徴です。

症状としては、視力障害・心不全・頭痛・耳鳴り・吐き気・息切れ・呼吸困難などです。放置すると危険ですので、即、緊急入院と、降圧薬による血圧コントロールが必要となります。食事は塩分を控え、適度な運動と睡眠をとることとなります。



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