末期腎不全の治療
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透析療法と腎臓移植
末期の腎不全となりますと、腎臓がほぼ機能を失い働かなくなります。そうなると、「自身の動かない腎臓の代わりをさせる治療」が必要です。この治療のことを腎代替療法(じんだいたいりょうほう)と言います。とにかく自身の腎臓が動かないので、別の方法を使って血液を浄化させる、ということですね。この治療には大きく透析療法と腎移植の二つがあります。なお、どっちの治療から始めるのかという基準は特にありません。自身に一番良いものを専門医と相談して選ぶと良いと思います。
透析療法
透析とは、簡単にいうと「自分の腎臓の代わりに人工的に行う血液の浄化」のことです。透析療法を行うと主に尿毒症の症状 食欲低下・嘔吐・吐き気・倦怠感などが改善され、日常の生活が送れるようになります。透析療法で改善できるのは大きく三つです。
・血液中の老廃物をキレイにすること
・体の水分量を適正にして、余分な塩分やリン・カリウムを除去
・酸性となった血液を改善すること
透析療法には血液透析と腹膜透析があります。
■血液透析
「血液透析」というのは、人口の膜で作られた人工腎臓を利用する療法のことです。
日本ではこの血液透析を受けている方が圧倒的に多いです。
2014年時点で298,924人の方が施設で血液透析を行っています。
■腹膜透析
・「腹膜透析(CAPD)」とは自分の腹膜を使う療法のことです。
2014年時点で9,022人の方が腹膜透析を行っています。
【透析療法の割合について】
透析療法を受けている人の治療法選択の割合を※単純に計算すると、透析治療を行っている97%ぐらいの方が血液透析を選び、あとの約3%が腹膜透析を行ってる、ということになります。
※血液透析と腹膜透析はお互いに補う合う関係にある治療法ですが、どちらの治療法も行っているという場合は考慮に入れていません。
腎移植
末期腎不全の治療に「腎移植」という方法があります。腎臓を提供してくれる人と、身体の相性のチェック(マッチング検査)が必要ですが、型がうまく合い、移植した腎臓の働きが良い場合には、健康を取り戻すことができます。また食事の制限も緩和されてより快適になります。合併症、年齢などから腎移植が可能かどうか、腎臓を移植したいなどは専門医へ相談しましょう。また、「臓器移植ネットワーク」という日本で唯一の、臓器の橋渡しをする組織から情報を探しても良いかと思います。
血液透析 腹膜透析 腎移植 各治療のメリット・デメリット一覧まとめ
項目 | 血液透析 | 腹膜透析 | 腎移植 |
---|---|---|---|
腎機能 | 改善はせず悪い状態 | 改善はせず悪い状態 | 正常に近い状態 |
生命予後 | 移植よりは悪い | 移植よりは悪い | 優れている |
生活の質 | 移植よりは悪い | 移植よりは悪い | 優れている |
生活の制約 | かなり多い週3回各4h | やや多い | ほぼ無し |
生命予後 | 移植よりは悪い | 移植よりは悪い | 優れている |
社会復帰率 | 低い | 低い | 高い |
食事と飲水 | 制約多い | 制約やや多い | 制約少ない |
手術規模 | 小手術 局所麻酔 | 中規模手術腹膜透析カテーテル | 大手術全身麻酔 |
旅行出張 | 制限有 施設の有無 | 制限有 装置の有無 | 自由 |
感染注意 | 必要 | やや必要 | かなり必要 |
その他メリット | 日本の治療実績が多い | 血液透析に比べると自由度高め | 透析と比べ自由度が非常に高い |
その他デメリット | 除水による血圧低下 | 腹部回りの症状に注意必要 | 拒絶反応・免疫抑制剤副作用の可能性 |
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